不正咬合
今回はウサギに最も多い不正咬合のお話です。
★ 不正咬合とは
ウサギの歯は、生涯を通じて伸び続けます。
そのペースは1ヶ月に約1cmと言われるほどです。
そのペースは1ヶ月に約1cmと言われるほどです。
もともと野生のウサギの食餌は、木の幹や野草などでした。
これらの硬いものを噛んですりつぶすことで、歯も一緒に削れ、
伸び過ぎるのを防いでいたのです。
これらの硬いものを噛んですりつぶすことで、歯も一緒に削れ、
伸び過ぎるのを防いでいたのです。
ところが、ペットのウサギはというと、
穀類の多いミックスフード、線維の少ないペレットフードなどを好んで食べることにより、
歯が伸びすぎて噛み合わせが悪くなり(これを不正咬合といいます)
様々な障害が出てきます。
穀類の多いミックスフード、線維の少ないペレットフードなどを好んで食べることにより、
歯が伸びすぎて噛み合わせが悪くなり(これを不正咬合といいます)
様々な障害が出てきます。
上の奥歯は頬に向かって、下の奥歯は舌に向かって尖ったように
伸びるため、頬や舌が切れて潰瘍を起こします(写真下)。
伸びるため、頬や舌が切れて潰瘍を起こします(写真下)。
この時の症状としては、よだれ・食欲不振が主です。
この場合は、尖った歯を削ってあげる必要があります。
ウサギの口はご存知のようにとても小さいので、麻酔をかけないと
処置することは不可能です。
ウサギの口はご存知のようにとても小さいので、麻酔をかけないと
処置することは不可能です。
削ってあげると、このようになります(写真下)。
不正咬合の場合、削って終わりではなく、食事の改善が必要になります。
まずは、乾草を自由に食べさせること。
ペレットフードは、線維含有量の多いものを与えること。
(粗線維 18%以上が理想です)
タンポポなどの野草も線維が多いので大丈夫です。
ペレットフードは、線維含有量の多いものを与えること。
(粗線維 18%以上が理想です)
タンポポなどの野草も線維が多いので大丈夫です。
やわらかい食餌だけではすぐに再発してしまいます。
★ 不正咬合のほかの症状
不正咬合が持続的に起こることにより、
歯根部に膿瘍を形成することがあります。
歯根部に膿瘍を形成することがあります。
切歯(前歯)の伸び過ぎでは、鼻涙管の圧迫により流涙が起きたり、
二次的に細菌感染が起こることで涙嚢炎を起こすことがあります。
二次的に細菌感染が起こることで涙嚢炎を起こすことがあります。
口の中が切れて痛みを伴うので、グルーミングを行わなくなることもあります。
食欲不振が起こり、食事を取れなくなると、ウサギは脂肪肝になります。
脂肪肝とは、体の脂肪をエネルギー源として動員することにより、
肝臓に脂肪が蓄積してしまうことを言います。
脂肪肝とは、体の脂肪をエネルギー源として動員することにより、
肝臓に脂肪が蓄積してしまうことを言います。
ウサギの場合、これは致命的で、食欲がなくなったら早めに対処してあげることが
とても重要になります。
とても重要になります。
なによりもまず、適切な食餌で防ぐことができる病気です。
おやつは程ほどにしてあげましょう。
おやつは程ほどにしてあげましょう。
膝蓋骨脱臼症候群
今回は、小型犬に比較的多い、膝蓋骨脱臼症候群についてです。
★ 膝蓋骨脱臼症候群(しつがいこつだっきゅうしょうこうぐん)とは?
膝関節の動きをつかさどる膝蓋骨、いわゆる「おさら」が
内側あるいは外側に脱臼する病気です。
多くの場合、原因は先天的な要因ですが(小型犬)、
稀に外傷で発症することもあります(大型犬)。
一般的に、小型犬では内側に脱臼し、大型犬では外側に脱臼します。
まずは触診で、膝蓋骨のはずれ具合を診ます。
重度の場合はレントゲン検査を行い、骨の変形がないか確認します。
★ 症状は?
脱臼の程度によって様々な症状を示します。
膝関節の運動障害によるびっこが主な症状です。
以下に、膝蓋骨脱臼の症状を列挙してありますので参考にしてください。
寝起きにびっこをひくが、自然と直ってしまう
ときおり「キャン!」と大げさに鳴くが、その後は普通にしている
腰を下げて歩く
びっこをひく(跛行)
脚を着かない(挙上)
★ 分類
膝蓋骨脱臼は進行性の病気で、その進行度合いによってグレードが分かれています。
グレードが低くても、次第にグレードが進行してしまいます。
グレードI
「おさら」は正常な位置にありますが、指で押すと脱臼してしまいます。
指を離すと正常な位置に戻ります。ほとんどの犬は症状を示しません。
グレード
「おさら」は正常な位置にあったり、自然に脱臼したりします。
脱臼していても指で整復することができます。
寝起きにびっこをひいたり、スキップ歩行したりすることがあります。
日常生活に支障はありませんが、骨の変形が進み、グレード靴飽楾圓靴
しまいます。
グレード
「おさら」は常に脱臼した状態です。
指で整復できますが、指を離すと脱臼状態に戻ってしまいます。
骨の変形が明らかになり、びっこが顕著になります。
グレードIV
「おさら」は常に脱臼した状態で、もはや指で整復することができません。
膝関節を伸ばすことができずに、曲がったままになります。
★ 治療法は?
1.外科手術:
治療法は手術しかありません。
グレードの進行によって手術の効果に差が出ることがあります。
グレードIと兇任蓮⊆蟒僂垢襪海箸任曚箸鵑匹慮い正常に歩行するようになります。
グレード靴泙膿聞圓垢襪函多少、びっこが残ってしまうこともあります。
グレードIVになってしまうと手術は困難です。
大学病院など高度医療を実施している病院を紹介しています。
このように症状の進行が進むと手術が難しくなる傾向がありますので、
なるべく早めに手術を行ったほうが良いでしょう。
2.屈伸運動:
太ももの筋肉を鍛えて、膝関節の強化を図ります。
朝晩100回ずつの屈伸運動の実施が推奨されています。
しかし、この方法で膝蓋骨脱臼を根治することはできません。
「グレードの進行を遅くする」という効果に留まることに注意してください。
根本的な治療法は手術以外にはありません。
★ 日常生活での注意点
激しい運動を避ける:
ソファーへの飛び乗りなど、後足に力がかかる運動を避けたほうが賢明です。
膝蓋骨脱臼をもっていると、膝関節の運動性は不安定になっています。
この状態のままでは、関節の半月板を損傷したり、前十字靭帯を切ったり
してしまうことがあります。
このような合併症が起こると、激しい痛みを生じるため、脚を挙上しまいます。
脚を使うことはほとんどできなくなってしまいます。
体重が軽い小型犬の場合、生涯通じて症状を示さない(痛みを示さない)場合も
あります。
しかし前述したように進行性の病気であるために、定期検診を行い、
必要があれば手術を行う気持でいたほうがよいでしょう。
★ 膝蓋骨脱臼症候群(しつがいこつだっきゅうしょうこうぐん)とは?
膝関節の動きをつかさどる膝蓋骨、いわゆる「おさら」が
内側あるいは外側に脱臼する病気です。
多くの場合、原因は先天的な要因ですが(小型犬)、
稀に外傷で発症することもあります(大型犬)。
一般的に、小型犬では内側に脱臼し、大型犬では外側に脱臼します。
まずは触診で、膝蓋骨のはずれ具合を診ます。
重度の場合はレントゲン検査を行い、骨の変形がないか確認します。
★ 症状は?
脱臼の程度によって様々な症状を示します。
膝関節の運動障害によるびっこが主な症状です。
以下に、膝蓋骨脱臼の症状を列挙してありますので参考にしてください。
寝起きにびっこをひくが、自然と直ってしまう
ときおり「キャン!」と大げさに鳴くが、その後は普通にしている
腰を下げて歩く
びっこをひく(跛行)
脚を着かない(挙上)
★ 分類
膝蓋骨脱臼は進行性の病気で、その進行度合いによってグレードが分かれています。
グレードが低くても、次第にグレードが進行してしまいます。
グレードI
「おさら」は正常な位置にありますが、指で押すと脱臼してしまいます。
指を離すと正常な位置に戻ります。ほとんどの犬は症状を示しません。
グレード
「おさら」は正常な位置にあったり、自然に脱臼したりします。
脱臼していても指で整復することができます。
寝起きにびっこをひいたり、スキップ歩行したりすることがあります。
日常生活に支障はありませんが、骨の変形が進み、グレード靴飽楾圓靴
しまいます。
グレード
「おさら」は常に脱臼した状態です。
指で整復できますが、指を離すと脱臼状態に戻ってしまいます。
骨の変形が明らかになり、びっこが顕著になります。
グレードIV
「おさら」は常に脱臼した状態で、もはや指で整復することができません。
膝関節を伸ばすことができずに、曲がったままになります。
★ 治療法は?
1.外科手術:
治療法は手術しかありません。
グレードの進行によって手術の効果に差が出ることがあります。
グレードIと兇任蓮⊆蟒僂垢襪海箸任曚箸鵑匹慮い正常に歩行するようになります。
グレード靴泙膿聞圓垢襪函多少、びっこが残ってしまうこともあります。
グレードIVになってしまうと手術は困難です。
大学病院など高度医療を実施している病院を紹介しています。
このように症状の進行が進むと手術が難しくなる傾向がありますので、
なるべく早めに手術を行ったほうが良いでしょう。
2.屈伸運動:
太ももの筋肉を鍛えて、膝関節の強化を図ります。
朝晩100回ずつの屈伸運動の実施が推奨されています。
しかし、この方法で膝蓋骨脱臼を根治することはできません。
「グレードの進行を遅くする」という効果に留まることに注意してください。
根本的な治療法は手術以外にはありません。
★ 日常生活での注意点
激しい運動を避ける:
ソファーへの飛び乗りなど、後足に力がかかる運動を避けたほうが賢明です。
膝蓋骨脱臼をもっていると、膝関節の運動性は不安定になっています。
この状態のままでは、関節の半月板を損傷したり、前十字靭帯を切ったり
してしまうことがあります。
このような合併症が起こると、激しい痛みを生じるため、脚を挙上しまいます。
脚を使うことはほとんどできなくなってしまいます。
体重が軽い小型犬の場合、生涯通じて症状を示さない(痛みを示さない)場合も
あります。
しかし前述したように進行性の病気であるために、定期検診を行い、
必要があれば手術を行う気持でいたほうがよいでしょう。