今回は、ここのところ立て続けに遭遇している
子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)についてです。


★子宮蓄膿症とは?

 文字通り、子宮の中に膿(うみ)が溜まってしまう病気です。
 中~高齢の雌犬(ときどき猫)に多く見られます。

 発情にともない子宮内に細菌感染が起こり、2ヶ月くらいかけてどんどん重篤化していきます。
 発情後に血様の分泌物がだらだら続いたり、
 膿が出てきた場合は、すぐに治療をする必要があります。
 ただ、排膿されないで子宮内に溜まり続ける場合もあるので要注意です。


★症状は?

 主な症状は、陰部からの排膿、元気消失、食欲不振、多飲多尿、嘔吐などです。
 
 超音波検査やレントゲン検査で、太くなった子宮を確認することで
 診断できます。
 

★治療法は?

 手術が第一選択肢となります。
 蓄膿した子宮と卵巣を摘出します。

 子宮蓄膿症を発症してから経過が長いと、細菌の出す毒素によって
 致命的になる場合もあります(エンドトキシンショック)。
 また、子宮がお腹の中で裂けてしまって、腹膜炎を起こすこともあります。
 こうなると、手術を行ったとしても、救命することは難しいと思われます。

 
★予防法は?

 避妊手術を行うことによって、発症が防げます。


 子宮蓄膿症は、避妊手術によって予防が、早期発見によって治療が可能な病気です。
 中齢にさしかかったら、発情後は注意してあげてください。