新しい超音波装置が大活躍した症例報告です
手術の写真が載っていますので、苦手な方はご遠慮ください。



腸重積とは、消化管の一部が隣接する腸分節の内腔に脱出あるいは嵌入する状態をいいます。



といっても難しい表現なので、簡単に言うと、
『腸が腸に入り込んでしまう状態』
です



下の写真だと、矢印部分が嵌入部(入り込んでいる部分)です。



イメージ 1



これを超音波装置で見ると・・・


下の写真は重積部分を輪切りにした像です。
多重円に見えるのが腸管でその内部、右側にまが玉上の腸管が見えます。
腸が腸に入り込んでいる、重積状態です。


同心円リングサインと呼びます。

イメージ 2



下の写真は、縦に切ってみた像です。
to-and-froといって、腸内容物が流れずに行ったり来たりしている所見が得られました。
(静止画ですので、この写真からは確認できません)

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腸重積は、放っておくと腸管の壊死が起き、非常に重篤な状態をもたらします。
今回は超音波検査のおかげで発見が早く、腸管を切除することなく整復が可能でした


腸内異物(ひも状異物など)や重度の下痢などで起こることがあります。


超音波検査自体は、痛みを伴わない検査ですので(おなかの毛を刈ることがありますが)、
どんどん活用したいと思っています